「仕事の過労などから精神的、肉体的にも疲労し、性的衝動を抑えられなかった」裁判官有罪判決

2009年7月7日11時9分

 高速バスで隣に座った女性の下半身を触ったなどとして、準強制わいせつ罪に問われた福岡高裁宮崎支部の元判事、一木泰造被告(52)=福岡市中央区=の判決公判が7日、宮崎地裁であった。高原正良裁判長は「卑劣な犯行で裁判官に対する国民の信頼を大きく傷つけ、司法の権威を著しく失墜させた」として、懲役2年執行猶予5年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 判決によると、一木被告は2月8日午後9時ごろ、熊本県人吉市九州自動車道を走行中の福岡発宮崎行き高速バス車内で、隣の席で熟睡していた短大生の女性(当時19)の下半身を触り、女性の手を自身の下半身に押し当てた。

 公判で、被告側は「仕事の過労などから精神的、肉体的にも疲労し、性的衝動を抑えられなかった」などと主張したが、高原裁判長は「性欲を満足させたいという自己中心的な犯行を正当化できない」と厳しく断じた。

 一方、示談が成立したことや裁判官の退職金を受け取らず、社会的制裁も受けたなどとして刑の執行を猶予した。

 一木被告について、最高裁は3月、国会の裁判官訴追委員会に罷免の訴追請求をしたが、4月に裁判官の任期が終了したため審議は打ち切られた。