真意不明。弁護人が控訴趣意書出さず、裁判打ち切り

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2009年4月22日9時23分

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 殺人などの罪に問われ、一審で懲役11年の判決を受けて名古屋高裁に控訴していた男性被告(29)が、弁護人が控訴趣意書を提出しなかったため、裁判を打ち切る決定(控訴棄却決定)をされていたことが21日、分かった。被告側は異議を申し立てたが、高裁は17日付で棄却した。被告側は最高裁に特別抗告ができるが、これも棄却されれば、控訴審が開かれないまま一審判決が確定する。被告は無罪を主張していた。

 被告は07年11月に大分市出身の津末一守さん(当時55)を殺害し、遺体を岐阜市長良川に捨てたとして殺人と死体遺棄の罪に問われ、昨年11月、岐阜地裁で懲役11年(求刑懲役13年)の判決を受けた。一審で被告側は「殺害、死体遺棄行為にかかわっておらず、無罪だ」と主張していた。

 関係者によると、弁護人=愛知県弁護士会所属=は控訴後の昨年12月に選任され、控訴趣意書の締め切りを、当初の1月7日から延長するよう申請したという。高裁は締め切りを3月23日に延長したが、弁護人は当日になって再度、延長を申請。これを受け、高裁は同30日まで再延長した。しかし、弁護人は同24日、3度目の延長を申請。高裁が不許可の決定を出すと、同26日付で弁護人を辞任したという。

 高裁は3月31日付で控訴棄却決定を出した。弁護人は4月になって再度、選任され、控訴棄却決定に対する異議を申し立てたという。

 弁護人は、締め切りの延長を申請した経緯について「ノーコメント」としている。



http://www.asahi.com/national/update/0422/NGY200904210010.html

 まったく不可解な弁護士の行動です。高裁に対する抗議だったのか、それとも被告人との意思の疎通がうまくいかなかったのか動機も理由もまったく不明ですが、毅然とした確信犯という印象を受けました。
 一審の判決自体ずいぶん軽いという気がしますが、求刑自体も軽かったみたいなので、検察、裁判所の事実認定に対する自信のなさが反映されているという気もします。想像の域を出ることは出来ませんが、でたらめな一審判決に対する抗議、問題提起という意味合いが強いのかもしれません。
 福井女子中学生殺人事件での小島裕史裁判長の控訴審判決も、似たような印象を伴うものでした。

 落合弁護士で知ったのですが、落合弁護士は次のようにコメントしています。

どういった事情があったのかはよくわかりませんが、高裁が、1月7日から3月23日、さらに同月30日へと提出期限を延長していることもあり、後に補充することを予定していても構わないので、控訴趣意書としての体裁が一応整ったものは、やはり出しておくべきだったのではないかと思いますね。

こういった事態になると取り返しがつかなくなるので、取り返しがつかなくなるようなことにならないようにする、ということは、実務家である以上、考えなければならないという印象を受けます。


http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090422#1240363686

 落合弁護士のコメントでは、弁護士の自己都合が主たる要因のように読めます。
 自分の見方が穿ちすぎなのかもしれませんが、いずれにせよ尋常ではない弁護人の対応であることは間違いなさそうです。

 初めに読んだとき、とんでもない弁護士がいるものだと思いましたが、ご都合主義で間に合わせの捜査、裁判に対する身を挺した抗議。批判かもしれないという気がしてきました。「故に我、倒行してこれを逆施するのみ」(史記伍子胥列伝)という感じでしょうか。悲憤慷慨の極みがあったのかもしれません。